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鼠径部(そけいぶ)ヘルニアの日帰り手術始めました

重要

鼠径部(そけいぶ)ヘルニアとは

鼠径部ヘルニアは “脱腸”とも呼ばれ、下腹部の足の付け根あたりがポッコリ膨らむ病気です。この足の付け根あたりを鼠径部(そけいぶ)と呼びます。放置するとだんだん大きくなり男性の場合は陰嚢(いんのう)まで膨らむことがあります。

日本の鼠径部(そけいぶ)ヘルニア

厚生労働省の統計によると日本全体で年間13~15万人程度の方が鼠径部(そけいぶ)ヘルニア手術を受けていると推測されます。日本における手術は9割が15歳以上(厚生労働省では15歳以上をひとまとめに統計が出されています)に行われており、全体の1-2割程度は女性の方です。また、年齢や性別によって生じやすいヘルニアは異なっていますが、鼠径部(そけいぶ)ヘルニア全体でみると65~80歳の間に多くの方が手術を受けています(乳幼児を除く)。

 

鼠径部(そけいぶ)ヘルニアの正体

おなかの筋肉の膜が裂けてできた穴から皮膚の下に腸などの内臓が腹膜をかぶったまま
飛び出します。体の表面から見ると鼠径(そけい)部や陰嚢がポッコリ膨らんで見えます。

飛び出した内臓がおなかの中に戻ると表面上は平らになり治ったように見えますが、
飛び出した部分には腹膜の通り道ができてしまい自然に治ることはありません。

脱腸バンドで治る事はありません。手術が必要です。


 

鼠径部(そけいぶ)ヘルニアはなぜおきるのでしょうか?

鼠径部(そけいぶ)は生まれる前に睾丸や子宮を引っ張る筋が通過するため一度筋肉(筋膜)に孔が開いています。この穴の部分が生まれつききれいに閉じてないとヘルニアになります(生まれつきの原因によるもの=先天性)。また、筋肉が様々な原因で弱くなり、おなかの圧力(=腹圧)が上がって筋肉がおなかを支えきれなくなるとヘルニアを起こします(生活習慣や加齢によるもの=後天性)。両方が絡み合って起こる場合もあります。おなかに力を入れる機会や立っていることが多い人肥満、妊娠、なども誘因とされています。

 

鼠径部(そけいぶ)ヘルニアの症状にはこんなものがあります

鼠径部(そけいぶ)にできた膨らみが、大きくなったり小さくなったりするのが典型的な症状です。おなかに力を入れたときは飛び出し、力を抜いた時や手で押し戻すとわからなくなってしまいます。一日のうちでは立って活動を行った後の夕方は大きくなり、静かに横になっていた後や朝起きた時には膨らみが小さくわかりにくくなります。かんとん(嵌頓)といって飛び出した内臓が戻らなくなり血の流れが悪くなると最悪の場合内臓がくさってしまう(壊死といいます)こともあり危険です。この場合はかなり強い痛みを伴い、おなか全体が痛くなったり吐いたりすることもあります。



このような危険な状況になる前に鼠径部(そけいぶ)ヘルニアかなと思ったら診察を受けてください。膨らむと同時に異和感や痛みがある場合は早めに宇治川病院のヘルニア専門外来(陳医師)を受診してください。

 

 鼠径部(そけいぶ)ヘルニアの種類

外鼠径ヘルニアと内鼠径ヘルニア     


大腿ヘルニア
  

鼠径部(そけいぶ)ヘルニアの手術方法について

手術方法は、脱出しているヘルニア内容を元のおなかの中に収め、ヘルニアの出口を閉じることです。これにはメッシュを用いない『組織縫合法』とメッシュを用いる2つがあります。宇治川病院ではおなかに違和感がなく日帰り手術ができる『メッシュ法』を行っています。

 

『メッシュ法』

1)鼠径部を切開する方法

  鼠径部(そけいぶ)のヘルニアで腫れている所の少し上に局所麻酔を用いて約4cm切開し手術を行います(図1)。前方からヘルニアに到達する方法です。ヘルニア内容をおなかに押し戻しヘルニアの出口に前からメッシュを挿入します(図2)宇治川病院では片側の鼠径部(そけいぶ)ヘルニアに局所麻酔を用いたリヒテンシュタイン法(図3)を行っております。リヒテンシュタイン法は1989年に米国のIrving Lichtensteinによって考案された手術です。外側から鼠径部全体をポリプロピレン製ソフトメッシュシートで覆い、縫い付ける方法です。全世界で一番多くおこなわれている手術で、国際ガイドラインでもこの手術が最も推奨されています。宇治川病院ではセルフグリップ機能をもったメッシュを使用し手術時間の短縮と術後の慢性疼痛のリスクの軽減に努めております。術後2時間経過観察し手術当日帰宅していただきます。消化器外科専門医(認定番号3004979)陳 孟鳳(ヂン メンボン)が執刀させていただきます。
        

        

             図3 リヒテンシュタイン法

 

1)腹腔鏡を使用する方法

 宇治川病院では左右両方に鼠径部(そけいぶ)ヘルニアのある患者様には腹腔鏡下手術をおこなわせていただいております。腹腔鏡手術は、ポートと言われる筒を腹腔内に3本挿入し、その筒を通じて内視鏡や操作に必要な器具を挿入し、内視鏡の画像を映し出した大きなモニターを見ながら行う手術です。この方法には、大きく分けて腹腔内(おなかの内側)から手術をおこなうTAPP(transabdominal preperitoneal approach)法(図4)と腹壁内(おなかの壁)からおこなうTEP(totally extraperitoneal approach)法があります。TAPP法とTEP法ともに術後のメッシュ位置は基本的には同じです。宇治川病院ではTAPPを行っております。全身麻酔で手術をおこないますので手術翌日の退院となります。内視鏡外科技術認定医(認定番号13-GS-079)陳 孟鳳が執刀させていただきます。

     
      

          図4腹腔鏡手術:TAPP



当院における鼠径部(そけいぶ)ヘルニアの治療のながれ

① 外科外来での診察。術前検査、手術の説明、各種同意書への御署名。

② 手術当日来院、手術室入室、点滴ラインの挿入。

③ 手術施行。

④ リヒテンシュタイン法は術後2時間経過観察後帰宅。TAPPは1泊入院翌日退院。

⑤ 1週間後御来院していただき診察。




鼠径部(そけいぶ)ヘルニア外来を陳医師が行っておりますので外来・予約いづれでも診察させていただきます。
御気楽にお電話(℡:0774-22-1335)でご相談下さい。

 

 

 




外来診療時間

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